先日、鎌倉方面への日帰りツーリングにPCX125をレンタルし、終日走り倒してきました。市街地から海沿い、さらにワインディングと“1日フルに使った”走行を通じて、普段感じにくい特性も掘り下げてみました。
江の島・鎌倉ツーリングの記事はこちらです。江の島周辺のカフェやレストランもまとめていますので、お出かけの参考にしてみてはいかがでしょうか。
基本スペック
以下は、2025年モデルなど最近の仕様をベースにPCX125の主要スペックを整理したものです。
- エンジン:水冷・4ストローク単気筒・SOHC 4バルブ
(排気量 124.8 cc/ボア×ストローク 53.5 × 55.5 mm) - 最高出力:9.2 kW(約12.5 PS)/8,750 rpm
- 最大トルク:11.8 Nm/6,500 rpm
- 変速機:CVT(自動無段変速)、遠心式乾式クラッチ、Vベルト最終減速
- 車両重量:134 kg
- サイズ:全長×全幅×全高=1,935 × 740 × 1,125 mm
- ホイールベース:1,315 mm
- シート高:764 mm
- 燃料タンク容量:8.1 L
- ブレーキ:前 220mm ディスク(2ピストン)/後 220mm ディスク
- ABS:装備
エクステリア

PCX125の外観でまず目を引くのは、存在感のあるフロントフェイス。
最新モデルではLEDヘッドライトが採用され、シャープで引き締まった印象があります。
続いてサイドビューは、PCXらしい「滑らかでいて切れ味のある」流線形のラインが特徴的。
リアではテールランプのデザインと、タンデム用グラブバーの造形がバランス良くまとまっており、実用性とデザイン性を両立した仕上がりと感じました。
車載
シート下のメットインはかなり広く、今回のツーリングでもこれだけの荷物をすっぽり収納できました。
現行スクーターの中でもトップクラスの積載力があると感じます。
一方で、やや気になった点もあります。
私のヘルメット(OGKカブト・XSサイズ、インカム付き)を入れると、ギリギリ収まる程度。
外径の大きいヘルメットだと収納できない可能性もあります。
とはいえ、車体にはヘルメットホルダーが2つ装備されているため、外に掛けられる選択肢もあります。

※ これだけの荷物が詰めます。ヘルメット、夏用ジャケット、ワークマンのイージス、ボディバッグを入れてシートが完全に閉められます。
シートの開け方はキーを一度押して右にダイヤルを一つ捻ります。その状態で、キー右側のSEATボタンを押せばシート下が開けられます!ガソリンタンクも同じ要領で開けられますので、ご参考までに。



また、左側にワンプッシュ式の小物入れが備わっており、
500mlペットボトル+USB Type-Cポートが入る実用的なスペースです。
ジェットヘルメット派であれば、信号待ちでも飲み物に手が届くレベルの利便性。
もちろん、走行中はフタを閉じられるので安心です。

ハンドル横の収納はこんな感じ。
足つき
私は身長172cm、股下約80cmです。
ソールの薄いスニーカーでも両足のかかとが若干軽く浮く程度で、実用面では特に不安のない足つき感でした。

正面から見た足つきはこんな感じ。

横はこんな感じ。結構べたべた。
インプレッション
● 市街地
街中の走行性能は文句なし。
ストップ&ゴーが多い関東の道路事情では、MT車と比べて圧倒的に楽です。
左手は基本 “ブレーキを握るだけ” なので、運転中の負担も少なく、日常使いではストレスをまったく感じませんでした。
初速に関しても軽快で、体感的には400ccクラスのスクーターと極端な差はない印象。
車重が134kgと軽めなのも扱いやすさにつながっています。
● 巡航性能
一方で、やはり高回転域の伸びは控えめ。
60km/h付近が最も快適な領域で、そこからの余裕はあまりありません。
違反なので出すつもりはありませんでしたが、
フィーリング的には “100km/hには届かないかも” という加速の伸び方です。
とはいえ125ccとしては十分以上の性能でしょう。
● 積載・燃費
シート下収納は日常買い物なら余裕。一人暮らしの週末買いだめくらいなら完全にカバーできます。
トップケースがなくても、日帰り〜1泊ツーリングなら問題なくこなせる容量です。
燃費については正確に測定できなかったものの、
体感では リッター40km前後 は走っている印象でした。
● 気になった点
唯一気になったのは、エンジン始動時にセルの回りがやや弱かったこと。
レンタル車のバッテリー状態や車両特有の問題かもしれないので、PCX125そのものの車両の問題とは一概には言えませんが、一度エンジンを切ると再始動に少しコツが必要でした。
(跨ったまま前後に転がすと掛かる感じ…)
総評
1日たっぷり鎌倉ツーリングで走らせてみて、PCX125には
「実用スクーターの枠を超えた、ツーリング向けスクーターとしてのポテンシャル」
をしっかり感じました。
軽快な車体、高効率なエンジン、安心感のある足回り。
街乗りから海沿い、郊外のワインディングまで、不安なく楽しめる万能性があります。
もちろん原付二種のため高速道路は走れませんが、
“街乗り+日帰りツーリング” という用途では、間違いなく最有力候補 といえる1台です。


