ヘルメットを選ぶ時に必ず議論になるのが
「FRPとABS、どっちが安全なの?」
という問題。
「FRPじゃないと危ない」
「ABSはやめとけ」
といった意見もよく見ますが、これは半分正しくて半分誤解でもあります。
結論からいうと、FRPにもABSにも“正しい長所と短所”があり、
どちらもSG規格などの国内基準をクリアしている限り安全性は確保されている。
ただしヘルメット選びは
- 走り方
- 距離
- 予算
- 換気・静粛性
- ファッション性
まで含めてトータルで判断した方が後悔しません。
この記事では、それらを“偏りゼロ”で客観的に徹底解説します。
FRPとABSヘルメットの違いをざっくり比較
まずは最もシンプルな違いから。
| 項目 | ABS | FRP |
|---|---|---|
| 素材 | 樹脂(熱可塑性樹脂) | 繊維強化プラスチック |
| 衝撃耐性 | 必要基準内で安全 | より高い衝撃領域に強い |
| 経年劣化 | 紫外線・熱に弱い | 劣化しにくく寿命長め |
| 重量 | 比較的軽い | 同サイズでやや重い |
| 価格 | 安い(1.5万〜3万) | 高い(3万〜7万) |
| 寿命 | 3〜5年 | 5〜7年 |
| ファッション性 | 買い替え前提で選びやすい | 長く使う前提 |
FRPヘルメットが選ばれる理由(強み)
FRP(Fiber Reinforced Plastic)は繊維で補強された素材で、
シェル剛性が高く、歪みに強く、高速衝撃にも耐えやすい
という特徴があります。
高衝撃耐性とシェル剛性の高さ
FRPの最大の武器は「割れることで衝撃を逃がす」という性質。
これにより高速域の大きなエネルギーを効率よく処理できます。
高速道路での転倒や
縁石・ガードレールへの二次衝突のような
“高エネルギー領域”ではFRPの方が圧倒的に有利。
経年劣化の少なさ
FRPは紫外線や熱の影響を受けにくく
素材の劣化が非常に小さいため、
5〜7年使っても性能が維持されやすい。
高速走行での静粛性・安定性
外殻の剛性が高いと、
風によるシェルの“たわみ”が発生しにくく
- 風切り音が少ない
- 高速でブレにくい
という快適性に直結します。
長距離ツーリングや高速メインの人がFRPを好む理由がこれ。
ABSヘルメットは本当に危険なの? → 完全に誤解です
「ABSは危険」という声をよく聞きますが、
これをそのまま信じる必要はありません。
SG・PSC・JIS規格で安全性能は厳格に担保されている
SG認証に通るには以下の試験が必須:
- 初期衝撃吸収性能試験
- 貫通試験
- 顎紐強度試験
- シェルの劣化考慮試験
- ロットごとの品質管理
つまり、
素材がABSだろうとFRPだろうと、合格している時点で「ヘルメットとしての必要安全性」はクリアしている。
ABSの弱点は安全性ではなく“寿命の短さ”
ABSは樹脂なので
紫外線・温度の影響で劣化が早い。
だから安全じゃないのではなく、
“早めに買い替える必要がある”だけ
です。
ABSヘルメットのメリット(コスパ・軽さ・扱いやすさ)
コストが圧倒的に安い
FRPの半額〜1/3で買えるモデルもあるため
初めてのヘルメットとしても非常に優秀。
首への負担が少ない
軽量なので、
- 渋滞で止まる
- 街乗りで低速が多い
といった場面でも疲れにくい。
壊れても買い替えやすい
FRPは高価なので、
転倒で傷つくと精神的ダメージが大きい。
ABSは値段的に“割り切って買い替えができる”のが強み。
“買い替え前提”のABSは実は合理的:安全性+ファッション性の両立
ここは ABS の最大の魅力であり、
多くのライダーが見落としているポイント。
常に“新品に近い状態”で使える=安全
ヘルメットの性能は
新品が最も高い。
ABSは寿命が3〜5年なので、
そのタイミングで定期的に交換するのが理想。
つまり、結果的に:
✔ 常に劣化していない
✔ 衝撃吸収性能が高い状態
✔ 衛生的で綺麗
という“最高の安全状態”を維持できる。
デザインの幅が広く、バイクや季節に合わせて変えやすい
ABSは原価が低いので、メーカーが凝ったデザインを展開しやすい。
そのため、
- グラフィックモデル
- 限定カラー
- シンプルな艶消し
- 軽量ジェット
などバリエーションが豊富。
ファッションとして楽しめる
これはFRPでは難しい大きな利点。
- 春:白×赤の爽やかカラー
- 夏:マットブラック
- 秋:グラフィックモデル
- 冬:コーデ重視の単色
というシーズンごとのイメチェンも可能。
FRPだと1つのヘルメットを5〜7年使い続けるため、
この自由度はない。
結局どっちがいい?用途別の最適解
高速道路多め・長距離ツーリング派 → FRP推奨
- 剛性が高い
- 静粛性が高い
- 高速域の安定性
- 経年劣化しにくい
ガチツーリングにはFRPの恩恵が大きい。
街乗り中心のライトユーザー → ABSで十分
- コスパ最高
- 軽い
- 買い替えやすい
街乗りでFRPの剛性にメリットを感じる場面は少ない。
3〜5年周期で買い替えできる → ABSの方が合理的
- 常に新品
- 安全性能が劣化しない
- 衛生的
- イメチェンできる
実は安全性“だけ”を見るとこのスタイルが最強。
一つのヘルメットを長く使いたい → FRP一択
高い耐久性が最大の武器。
まとめ|FRPは“より高い保険”、ABSは“買い替え前提で安全”
FRPの魅力
- 高剛性
- 高衝撃耐性
- 経年劣化が少ない
- 長寿命
- 高速巡航で快適
ABSの魅力
- コスパ抜群
- 軽量
- 買い替えやすい
- イメチェンできる
- 危険という噂は完全に誤解
- 規格取得していれば安全は確保されている
最終結論
どっちが“安全”かではなく、
どっちが“あなたの使い方に合っているか”で選ぶべき。
- FRP → 高速・長距離・長く使いたい
- ABS → 街乗り・コスパ・買い替え・デザイン重視
どちらも正しい選択肢で、
“ABSだから危険”という考えは完全な誤解です。
各社の素材別ヘルメット商品紹介記事
こちらに、各社の素材別ヘルメットのおすすめを紹介していますので、興味があったら見てみてください。


